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特集 プラスミドによる薬剤耐性の菌種間伝播と施設内感染-そのサーベイランス・感染管理の在り方-
3.グラム陰性菌におけるプラスミド媒介性の薬剤耐性の特長 4)グラム陰性菌における消毒薬抵抗性
Reduced susceptibility to biocides in Gram-negative bacteria
川村久美子
1
Kawamura Kumiko
1
1名古屋大学大学院 医学系研究科 医療技術学専攻 病態解析学講座 准教授
キーワード:
消毒薬
,
有効性評価
,
作用機序
,
消毒薬抵抗性
,
プラスミド
,
交差耐性
Keyword:
消毒薬
,
有効性評価
,
作用機序
,
消毒薬抵抗性
,
プラスミド
,
交差耐性
pp.107-116
発行日 2015年6月25日
Published Date 2015/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201507107
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消毒は生存する微生物の数を減らし,その伝播を遮断する手段である。消毒のプロセスの中心をなす消毒薬は対象物の種類と清浄化の目的に応じて選択されるものであり,微生物の絶対数を減らし伝播リスクを減少させるという意味で病院感染制御に不可欠なツールである。消毒薬が十分な効果を発揮するためには,各消毒薬の特性と欠点を理解しながら,使用の目的に応じて適正に選択することが肝要であり,適切な濃度,温度,清浄度,接触時間などを確保することが必要である。適切な消毒薬の使用は病院感染のリスクを減少させているが,グラム陰性桿菌の中には消毒薬に抵抗性を示すものもあり,実際に,消毒薬中で長期間生存し病院感染を発生させた事例もある。消毒薬の効果をいかに正しく評価し消毒薬抵抗性菌を見つけ出すか,また,その情報をいかに病院感染制御に役立てるか,今後,研究されるべきテーマや検討されるべき課題は山積している。