特集 臓器別に斬る小児の感染症 最適な抗菌薬の選択と期間とは?
Ⅲ 特殊な背景と治療
薬剤耐性菌:グラム陰性桿菌
日馬 由貴
1
1大阪大学医学部附属病院感染症内科/小児科
pp.239-244
発行日 2024年10月20日
Published Date 2024/10/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001313
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1 はじめに
薬剤耐性は世界的な解決課題であり,日本においても例外ではない.特に,グラム陰性桿菌における薬剤耐性は新規抗菌薬の開発が停滞していることもあり,重大な問題である.WHO(世界保健機関)が薬剤耐性対策の優先度最上位(Critical)にあげている細菌は,Acinetobacter baumannii,緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa),腸内細菌目細菌と,すべてグラム陰性桿菌である(表1)1).国際的に問題となっているカルバペネム耐性は日本には少ないものの,基質拡張型β-ラクタマーゼ(extended-spectrum β-lactamase:ESBL)を産生するグラム陰性桿菌の分離頻度は世界的にみても多く,臨床にも大きな影響を与えている.
Copyright © 2024, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.