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特集 薬剤トランスポーター研究の最新動向と化学療法剤の動態
8.薬剤排出トランスポーターの分子生物学
Molecular biology of multidrug efflux transporters
山崎聖司
1
,
西野邦彦
2
Yamasaki Seiji
1
,
Nishino Kunihiko
2
1大阪大学大学院薬学研究科/日本学術振興会特別研究員
2大阪大学産業科学研究所 准教授
キーワード:
薬剤排出トランスポーター
,
多剤耐性
,
阻害薬
Keyword:
薬剤排出トランスポーター
,
多剤耐性
,
阻害薬
pp.101-107
発行日 2015年2月25日
Published Date 2015/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201503101
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薬剤排出トランスポーターは細菌のゲノム上に数多くコードされており,さまざまな薬剤を菌体内から外に排出することにより多剤耐性化を引き起こす。近年の研究において,病原性発現にも寄与していることがわかってきており,薬剤耐性と病原性の両方を抑えることのできる魅力的な創薬ターゲットとして期待されている。薬剤排出トランスポーターの阻害薬開発には多くの努力が傾けられているが,臨床的に有効な阻害薬はまだ得られていない。新規阻害薬開発のためには,薬剤排出トランスポーターの動作機構と阻害薬の作用メカニズムを知る必要があると考えられる。本稿では,トランスポーターの阻害薬結合様式に関する研究について,筆者らのグループで得られた成果を中心に紹介したい。