特集 新たな創薬ターゲットとしてのトランスポーター:明らかになるその構造と新機能
異物排出トランスポーターによる多剤認識機構
中島 良介
1
,
山口 明人
1大阪大学産業科学研究所 生体情報制御学分野
キーワード:
Doxorubicin
,
Escherichia coli
,
Minocycline
,
Rifampicin
,
異物
,
結合部位
,
細胞膜
,
多剤耐性関連タンパク質
,
細菌多剤耐性
,
Bacteria AcrA Protein
,
Bacteria AcrB Protein
,
TolC Protein
Keyword:
Binding Sites
,
Cell Membrane
,
Doxorubicin
,
Foreign Bodies
,
Escherichia coli
,
Minocycline
,
Rifampin
,
Multidrug Resistance-Associated Proteins
,
Drug Resistance, Multiple, Bacterial
,
AcrA Protein, E coli
,
AcrB Protein, Salmonella Enterica
pp.529-534
発行日 2012年4月22日
Published Date 2012/4/22
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本来,非特異的な異物が異物排出トランスポーターという膜タンパク質によっていかにして特異的に認識され,排出されるのか.筆者らは大腸菌の異物排出トランスポーターと異物の結合構造を決定することにより,異物排出トランスポーターが“細胞膜の掃除機”として機能的回転輸送機構によって異物を排出することを示してきた.異物排出トランスポーターの異物結合ポケットには輸送基質分子の部分構造を認識する複数のサイトが存在し,それらのサイトの順列組み合わせによって多数の基質が認識される.筆者らの最近の知見によれば,このようなマルチサイト結合ポケットは複数あって,輸送チャネルに沿って縦に配列しており,異物はこれらのポケットを順送りされ,排出されるというペリスタポンプ機構がわかってきた.
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