Japanese
English
特集 薬剤トランスポーター研究の最新動向と化学療法剤の動態
9.薬剤排出トランスポーター活性のマイクロデバイスによる計測
Activity assay of drug-efflux transporters in microdevice
飯野亮太
1
Iino Ryota
1
1自然科学研究機構 分子科学研究所/岡崎統合バイオサイエンスセンター 教授
キーワード:
大腸菌
,
緑膿菌
,
サルモネラ菌
,
acrAB-tolC複合体
,
mexAB-oprM複合体
,
マイクロデバイス
,
蛍光発生基質
Keyword:
大腸菌
,
緑膿菌
,
サルモネラ菌
,
acrAB-tolC複合体
,
mexAB-oprM複合体
,
マイクロデバイス
,
蛍光発生基質
pp.108-116
発行日 2015年2月25日
Published Date 2015/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201503108
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薬剤排出トランスポーターは細菌の抗生物質に対する獲得耐性の原因となる。特にRND(resistance-nodulation-cell division)ファミリー薬剤排出トランスポーターはさまざまな化学構造をもつ幅広い化合物を基質として認識し,多剤耐性の原因となることから関心を集めている。しかし,RNDファミリートランスポーターの活性は従来,薬剤存在下での増殖の最小阻害濃度の変化という間接的かつ時間のかかる方法で評価されていた。我々は最近,蛍光発生基質とマイクロデバイスを組み合わせ,大腸菌やサルモネラ菌のRNDファミリートランスポーターacrAB-tolC複合体および緑膿菌のmexAB-oprM複合体の排出活性を,1細胞レベルの高感度かつ簡便・迅速に計測する手法を開発した。本稿では手法の原理と計測例を紹介する。