Japanese
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特集 細菌の病原遺伝子の発現調節機構
7.薬剤排出トランスポーターの機能と制御
Regulation and function of drug efflux transporters
西野邦彦
1
Nishino Kunihiko
1
1大阪大学産業科学研究所感染制御学研究分野 准教授
キーワード:
薬剤排出
,
トランスポーター
,
多剤耐性
,
構造
,
発現制御
Keyword:
薬剤排出
,
トランスポーター
,
多剤耐性
,
構造
,
発現制御
pp.81-89
発行日 2012年12月25日
Published Date 2012/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201301081
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薬剤排出トランスポーターは抗菌薬を菌体内から外に排出する膜タンパク質であり,抗菌薬に対する細菌の自然耐性と獲得耐性の両方に関係している。近年,トランスポーターと排出基質の共結晶構造解析から抗菌薬の輸送機構が明らかになりつつある。また,薬剤排出トランスポーター発現制御の解析から,さまざまな環境要因によってトランスポーターの発現量が変化し,これらトランスポーターは抗菌薬排出以外に環境適応の役割を担っていることがわかってきた。本稿では,グラム陰性菌,特に大腸菌とサルモネラの薬剤排出トランスポーターを中心に,その機能と制御について私たちの研究成果も含めて紹介したい。