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特集 クロストリジウム・ディフィシル感染症
1.クロストリジウム・ディフィシル感染症の疫学
Epidemiology of Clostridium difficile infeciton
森伸晃
1
Mori Nobuaki
1
1独立行政法人国立病院機構東京医療センター総合内科
キーワード:
市中発症型クロストリジウム・ディフィシル感染症
,
PCRリボタイプ
,
BI/NAP1/027
Keyword:
市中発症型クロストリジウム・ディフィシル感染症
,
PCRリボタイプ
,
BI/NAP1/027
pp.26-31
発行日 2014年12月25日
Published Date 2014/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201501026
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2000年代はじめから,クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)の発症率や死亡率の増加が報告されている。特にカナダのケベック州でのアウトブレイクと,その際に分離されたBI/NAP1/027と呼ばれる強毒性株の出現は,その後の疫学に大きな影響を与えている。アウトブレイクを経験した北米や欧州を中心に疫学調査や感染対策が行われはじめ,Mandatory Public Reporting Programsを取り入れている英国やカナダでは,近年,CDIは減少傾向にある。一方で,わが国を含めたその他の国や地域の疫学に関してはまだ未知の部分が多い。またクロストリジウム・ディフィシルは,市中や長期療養施設内での発症,食肉からの分離などが報告されており,医療関連感染症としてだけではなく,多角的に見ていく必要がある。