Japanese
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特集 嫌気性菌感染症の基礎と臨床
II 臨床 3.クロストリジウム・ディフィシル感染症
Clostridium difficile infection
吉澤定子
1
,
舘田一博
2
Yoshizawa Sadako
1
,
Tateda Kazuhiro
2
1東邦大学医療センター大森病院感染管理部 講師
2東邦大学医療センター大森病院感染管理部/東邦大学医学部微生物・感染症学講座 教授
キーワード:
Clostridium difficile感染症
,
バイナリートキシン
,
BI/NAP1/027
,
フィダキソマイシン
,
次亜塩素塩酸
Keyword:
Clostridium difficile感染症
,
バイナリートキシン
,
BI/NAP1/027
,
フィダキソマイシン
,
次亜塩素塩酸
pp.88-96
発行日 2013年9月25日
Published Date 2013/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201310088
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Clostridium difficile(CD)はグラム陽性の芽胞形成性嫌気性菌で,1935年に健常新生児の糞便から分離された。その後,1978年に抗菌薬関連の偽膜性大腸炎の原因菌として報告されたが,2002年以降,第3の毒素(バイナリートキシン)を産生する強毒株(BI/NAP1/027株)が出現し,大きな問題となっている。C. difficile感染症(CDI)の発症には,トキシンA,トキシンBと呼ばれる毒素が重要であるが,本症の診断法としては,糞便からの分離培養,トキシンA・B検出に加えて,PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法を用いた毒素遺伝子検出などが利用されている。CDIに対する抗菌薬療法として,重症例にはバンコマイシン,軽症~中等症にはメトロニダゾールが推奨されている。最近では新しい治療薬のフィダキソマイシンや糞便注入療法が欧米で話題となっている。