Japanese
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特集 クロストリジウム・ディフィシル感染症
2.クロストリジウム・ディフィシル感染症の発症病態と臨床的特徴
Pathogenic mechanisms and clinical features of Clostridium difficile infection
宮崎泰斗
1
,
前田正
1
,
吉澤定子
2
,
舘田一博
3
TaitoMiyazaki
1
,
Maeda Tadashi
1
,
Yoshizawa Sadako
2
,
KazuhiroTateda
3
1東邦大学医療センター大森病院総合診療・急病センター 助教
2東邦大学医療センター大森病院感染管理部 講師
3東邦大学医学部微生物・感染症学講座 教授/東邦大学医療センター大森病院感染管理部 部長
キーワード:
CDI
,
トキシン
,
白血球増多
,
トキシックメガコロン
,
メトロニダゾール注射剤
Keyword:
CDI
,
トキシン
,
白血球増多
,
トキシックメガコロン
,
メトロニダゾール注射剤
pp.33-39
発行日 2014年12月25日
Published Date 2014/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201501033
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クロストリジウム・ディフィシル感染症(Clostridium difficile〔C. difficile〕 infection:CDI)は抗菌薬関連腸炎や院内感染症として重要性が増している。CDIではトキシンA・Bが重要であったが,欧米を中心に,第三の毒素(バイナリートキシン)を産生する強毒株(B I /NAP1/027株)がアウトブレイクや市中感染を起こし,大きな問題となっている。CDIの診断では便中トキシンA・BとGDH(glutamate dehydrogenase)抗原の迅速検査法が有用であるが,毒素の検出感度は必ずしも高くなく,クロストリジウム・ディフィシル(C. difficile:CD)以外のClostridium属でもGDH抗原陽性になることに注意が必要である。CDIの治療薬ではバンコマイシンの経口に加え,メトロニダゾールの経口ならびに注射剤がわが国でも使用可能となり,治療の選択肢が広がっている。