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特集 市中感染型MRSAの動向と対処法
4.ST8/non-USA300株による全身播種性市中感染型MRSA感染症の1例
A systematically disseminated case of ST8/non-USA300 type CA-MRSA infection
萩谷英大
1
,
久恒順三
2
,
森本直樹
3
,
大塚文男
4
,
菅井基行
5
Hagiya Hideharu
1
,
Hisatsune Junzo
2
,
Morimoto Naoki
3
,
Otsuka Fumio
4
,
Sugai Motoyuki
5
1岡山大学病院総合内科
2広島大学 院内感染症プロジェクト研究センター/広島大学大学院医歯薬保健学研究院基礎生命科学部門細菌学教室 助教
3津山中央病院救命救急センター
4岡山大学病院総合内科
5広島大学 院内感染症プロジェクト研究センター/広島大学大学院医歯薬保健学研究院基礎生命科学部門細菌学教室 教授
キーワード:
市中感染型MRSA
,
toxic shock syndrome
,
敗血症
,
multilocus sequence type 8
,
USA 300
Keyword:
市中感染型MRSA
,
toxic shock syndrome
,
敗血症
,
multilocus sequence type 8
,
USA 300
pp.59-67
発行日 2014年4月25日
Published Date 2014/4/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201405059
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市中感染型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(CA-MRSA)は重症感染症を引き起こす起炎菌として知られているが,遺伝子的に多様であり,さまざまなタイプが世界中に分布している。本症例は,multilocus sequence type 8, IV 型SCCmec(staphylococcal cassette chromosome mec), III 型コアグラーゼ陽性,Panton-Valentine leukocidinおよびarginine catabolic mobile element陰性の単一株により発症した全身播種性の重症CA-MRSA感染症のまれな一例である。筋骨格系を中心に全身に感染巣を形成しており,遺伝学的に同一のCA-MRSAを患者の異なる11部位より検出した。わが国におけるCA-MRSAの疫学および病原性は未解明である部分が多いが,本症例でもCA-MRSAの高病原性が示唆された。今後さらなる解析が期待される。