Japanese
English
特集 市中感染型MRSAの動向と対処法
3.市中感染型MRSAの分子疫学
Molecular characterization of CA-MRSA strains in Japan
山口哲央
1
Yamaguchi Tetsuo
1
1東邦大学医学部微生物・感染症学講座 助教
キーワード:
CA-MRSA
,
PVL
,
SCCmec type
,
MLST
,
LA-MRSA
Keyword:
CA-MRSA
,
PVL
,
SCCmec type
,
MLST
,
LA-MRSA
pp.51-58
発行日 2014年4月25日
Published Date 2014/4/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201405051
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CA-MRSA(community-acquired methicillin-resistant Staphylococcus aureus:市中感染型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)はさまざまな国で問題となっているが,地域により分離されるクローンは異なる。米国ではUSA300 cloneが猛威を振るっており,ヨーロッパにおいてはEuropean cloneおよびUSA300 cloneの検出が増えている。アジア諸国は国によってさまざまであり,地域性を考える必要がある。わが国においてはCA-MRSAおよびPVL(Panton-Valentine leukocidin)産生株の検出率は少ないが,CA-MRSA感染症の報告は増えている。重症例の報告も存在することから,臨床の現場において,どのようなタイプのCA-MRSAが存在し注意すべきか,確認する必要がある。新たなCA-MRSAとして,家畜由来のLA-MRSA(livestock-associated MRSA:家畜関連MRSA)がヨーロッパを中心に広がっている。わが国においても新しい耐性菌の動向を見守る必要がある。