増刊号 周産期診療のための病態生理
[新生児編]
感染
なぜMRSA感染症はNICUで多いのか
川瀬 泰浩
1
KAWASE Yasuhiro
1
1東邦大学医療センター佐倉病院地域周産期母子医療センター
キーワード:
MRSA
,
市中感染型MRSA
,
バンコマイシン
,
リネゾイド
,
POT法
Keyword:
MRSA
,
市中感染型MRSA
,
バンコマイシン
,
リネゾイド
,
POT法
pp.439-443
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001338
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MRSA感染症の病因,発症機序
メチシリン感性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus:MRSA)は,ペニシリン結合蛋白(penicillin binding protein:PBP)を規定する遺伝子に変異があり,メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(methicillin-susceptible Staphylococcus aureus:MSSA)が本来もっている4種の細胞壁合成酵素(PBP1~4)とは異なる細胞壁合成酵素PBP-2’を獲得している。PBP-2’はβ-ラクタム系抗菌薬との親和性がきわめて低いため,MRSAはβ-ラクタム系抗菌薬に耐性となる。
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