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特集 市中感染型MRSAの動向と対処法
1.市中感染型MRSA株の細菌学的な特徴と病原性 -HA-MRSAとCA-MRSAの比較-
The bacteriological feature and virulence of community acquired-MRSA strains -Comparison with HA-MRSA and CA-MRSA-
久恒順三
1
,
菅井基行
2
Hisatsune Junzo
1
,
Sugai Motoyuki
2
1広島大学 院内感染症プロジェクト研究センター/広島大学大学院医歯薬保健学研究院基礎生命科学部門細菌学教室 助教
2広島大学 院内感染症プロジェクト研究センター/広島大学大学院医歯薬保健学研究院基礎生命科学部門細菌学教室 教授
キーワード:
医療施設関連型MRSA
,
市中感染型MRSA
,
PVL
,
ACME
,
PSMs
Keyword:
医療施設関連型MRSA
,
市中感染型MRSA
,
PVL
,
ACME
,
PSMs
pp.27-38
発行日 2014年4月25日
Published Date 2014/4/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201405027
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メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus:MRSA)が出現して半世紀以上が経過し,わが国を含め世界の現在のMRSA型は当初の頃より様変わりしている。当初は医療施設関連型MRSA(healthcare-associated MRSA:HA-MRSA)感染症が主流であったが,その後,市中で健常人でも感染する市中感染型MRSA(community-acquired MRSA:CA-MRSA)感染症が急増し,まれではあるが重症化して治療に難渋するケースも報告されている。加えて,近年では家畜関連MRSA(LA-MRSA)も多く報告されている。現在,MRSAはSCCmec遺伝子型により I ~ XI 型に分類され,さまざまな病原因子関連遺伝子の保有パターンを考慮すると非常に多様化している。本稿では,CA-MRSAについて焦点を当て,細菌学的な特徴および病原性をHA-MRSAと比較しながらまとめてみたい。