Japanese
English
特集 乳幼児期のワクチンと感染症
9.水痘ワクチン
Varicella vaccine
吉川哲史
1
Yoshikawa Tetsushi
1
1藤田保健衛生大学医学部小児科学 教授
キーワード:
VZV
,
弱毒生ワクチン
,
定期接種
,
同時接種
Keyword:
VZV
,
弱毒生ワクチン
,
定期接種
,
同時接種
pp.82-88
発行日 2014年2月25日
Published Date 2014/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201403082
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水痘ワクチンはわが国で開発された現在使用可能な唯一のヒトヘルペスウイルスに対するワクチンである。開発国であるわが国では任意接種のため,いまだ接種率が40%程度にとどまっているが,1986年からOka株水痘ワクチンの定期接種化がはじまった米国ではすでに接種率が90%を超え,顕著な疫学的変化が起きている。水痘患者は激減し,水痘にかかる医療費の著明な削減が報告されている。そのような状況にある米国では,わが国が数年前,麻疹で直面したsecondary vaccine failureと同様の問題が水痘感染において表面化した。それに対する対策として米国ではすでに水痘ワクチンの2回接種が勧められている。わが国でも本ワクチンの定期接種化を目指し,MR(麻疹・風疹)ワクチンとの同時接種や2回接種時の接種間隔についての臨床研究が進んでいる。