10．ムンプスワクチン

Mumps vaccine

　ムンプス（流行性耳下腺炎）は一般的には軽症の感染症と考えられている。しかし，わが国におけるムンプスによる入院数は年間数千名に達すると推定され，無菌性髄膜炎，睾丸炎，難聴，脳炎・脳症などの合併症，また，それによる死亡例や後遺症例もある。一方，ムンプスワクチンは有効性が実証され，海外では広く使用されているが，わが国においては無菌性髄膜炎の副反応のため定期接種化されていない。ワクチン接種でムンプスの発症や重症化を予防できるのであれば，わずかに無菌性髄膜炎のリスクがあるとしてもワクチン接種を受けさせたいと考える保護者は多いのではないだろうか。希望する人は自己負担なく接種を受けられる環境を整えるべきである。