特集1 ワクチン療法の最新事情
8.水痘ワクチンの重要性
吉川哲史
1
1藤田保健衛生大学医学部小児科学・主任教授
pp.1953-1956
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12013081953
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水痘ワクチンは,わが国で開発された現在使用可能な唯一のヒトヘルペスウイルスに対するワクチンである。開発国であるわが国では任意接種のため,未だ接種率が40%程度にとどまっているが,1986年からOka株水痘ワクチンの定期接種化が始まった米国では,既に接種率が90%を超え,顕著な疫学的変化が起きている。水痘患者は激減し,水痘にかかる医療費の著明な削減が報告されている。そのような状況にある米国では,わが国が数年前に麻疹で直面したsecondary vaccine failureと同様の問題が,水痘感染において表面化した。それに対する対策として,既に水痘ワクチンの2回接種が勧められている。