Japanese
English
特集 ワクチン対策の現状と課題
10.水痘ワクチン
Live attenuated varicella vaccine
大橋正博
1
,
吉川哲史
2
Ohashi Masahiro
1
,
Yoshikawa Tetsushi
2
1藤田保健衛生大学小児科 講師
2藤田保健衛生大学小児科 教授
キーワード:
水痘ワクチン
,
定期接種化
,
追加接種
,
帯状疱疹ワクチン
Keyword:
水痘ワクチン
,
定期接種化
,
追加接種
,
帯状疱疹ワクチン
pp.103-110
発行日 2013年1月25日
Published Date 2013/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201302103
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水痘は一般に小児期に発症し,後遺症なく治癒することが多いが,成人や妊婦の感染,免疫抑制剤使用患者では重篤となることがある。また合併症として,小脳失調,脳梗塞,ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌による皮膚の二次感染があり,ワクチンによる感染予防が望ましく,これは先進国におけるワクチン普及率からも明らかである。水痘ワクチンはわが国で開発された。米国では1996年に定期接種化され,水痘が激減している。さらに現在では,2回接種や,帯状疱疹予防のため,60歳以降の高齢者への水痘ワクチン(帯状疱疹ワクチン)接種も始まっている。しかし一方で,わが国では任意接種のため接種率は低く,最近やっと50%まで上がった程度で,水痘の流行パターンは以前と変化がない。わが国でも米国同様,一刻も早い定期接種化,さらに2回接種の導入が強く望まれる。