Japanese
English
特集 細菌の進化から考える抗菌薬耐性
1.ゲノムの進化から見た薬剤耐性の変遷
Evolution of genome and microbial drug-resistance
橋本一
1
Hashimoto Hajime
1
1元・群馬大学微生物学 教授
キーワード:
ゲノムサイズ
,
水平遺伝
,
バイオフィルム
,
古代耐性遺伝子
,
分子進化
Keyword:
ゲノムサイズ
,
水平遺伝
,
バイオフィルム
,
古代耐性遺伝子
,
分子進化
pp.20-31
発行日 2013年12月25日
Published Date 2013/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201401020
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21世紀はゲノムの時代である。細菌からヒトまで代表種の遺伝子配列はすべて解析されており,40億年に及ぶ生命の進化の段階を辿ることができる。進化の要因は自分自身の変異と他からの遺伝子獲得であり,病原菌の多剤耐性化はゲノム進化の格好のモデルである。耐性化は突然変異と水平遺伝により,後者は,インテグロン,トランスポゾン,プラスミド,高頻度伝達系というように段階的進化を遂げ,高等生物における性の進化につながっている。物質の乱雑化は宇宙規模でみられるが,生命の進化とはその乱雑化に抗して常により高度の組織化をめざす姿であり,その根原にあるのがゲノムの進化である。