特集 性決定分化の制御システム:疾患性差・性転換をもたらす♂化・♀化のせめぎ合い
魚類性決定遺伝子の多様性と進化
菊池 潔
1
,
濱口 哲
1東京大学 大学院農学生命科学研究科水産実験所
キーワード:
シグナルトランスダクション
,
Transforming Growth Factor Beta
,
魚類
,
精巣
,
メダカ属
,
卵巣
,
ニジマス
,
分子進化
,
性決定過程
,
sry遺伝子
,
フグ科
,
系統樹
Keyword:
Fishes
,
Oryzias
,
Ovary
,
Testis
,
Signal Transduction
,
Transforming Growth Factor beta
,
Oncorhynchus mykiss
,
Evolution, Molecular
,
Sex Determination Processes
,
Takifugu
,
Genes, sry
pp.164-169
発行日 2013年1月22日
Published Date 2013/1/22
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哺乳類の性はSry 遺伝子により決定されているが,哺乳類を除く脊椎動物の性はSry 以外の遺伝子や環境要因により決定されている.2011年までに同定された脊椎動物の性決定遺伝子の数はたったの3つであったが,2012年に一挙に4つの新たな性決定遺伝子(あるいは候補)が魚類から報告された.これらの発見は,性決定という普遍性の高い生命現象が多様なマスターレギュレーターによって制御されているという,一見パラドキシカルな状況が遍在することを実証するとともに,動物の性決定機構を統一的に理解する手掛かりを我々に与えてくれる.本稿では,これらの発見に関する最新知見を紹介したい.
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