特集 パラダイムシフトする翻訳制御研究
真核生物のtRNA分子擬態複合体による遺伝暗号解読機構
伊藤 耕一
1
,
和田 美紀
,
遠藤 慧
1東京大学 大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻生命分子遺伝学分野
キーワード:
古細菌
,
リボソーム
,
tRNA
,
遺伝暗号
,
タンパク質生合成
,
アミノ酸配列相同性
,
終止コドン
,
分子進化
,
分子擬態
,
Peptide Elongation Factor 1
,
真核生物
,
S cerevisiae Dom34 Protein
,
S cerevisiae HBS1 Protein
Keyword:
Archaea
,
Genetic Code
,
Ribosomes
,
RNA, Transfer
,
Protein Biosynthesis
,
Sequence Homology, Amino Acid
,
Molecular Mimicry
,
Evolution, Molecular
,
Codon, Terminator
,
Peptide Elongation Factor 1
,
Eukaryota
,
HBS1 Protein, S cerevisiae
,
Dom34 Protein, S cerevisiae
pp.745-749
発行日 2015年7月22日
Published Date 2015/7/22
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真核生物や古細菌のタンパク質合成系では,終止コドンや翻訳反応の停滞状態など,通常のセンスコドン以外の遺伝暗号提示状態の解読は,tRNA/EF1A複合体に擬態するタンパク質分子群によって担われることが明らかになってきた.このことは,真正細菌とは決定的に異なり,真核生物や古細菌ではリボソームの普遍的遺伝暗号解読機構がより多くの過程でに共有されることを意味しており,終止コドンのリコーディングやmRNAの品質管理機構の解明研究,さらにはそれらをターゲットとする創薬などにおける戦略に新たな手掛かりを与えるだろう.
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