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特集 バイオフィルム研究の最前線
Ⅰ 医歯薬学 1.バイオフィルムと多剤耐性および院内感染
The importance of biofilms and multidrug resistance
濱田将風
1
,
舘田一博
2
Hamada Masakaze
1
,
Tateda Kazuhiro
2
1東邦大学医学部微生物・感染症学講座
2東邦大学医学部微生物・感染症学講座 教授
キーワード:
バイオフィルム
,
クオラムセンシング
,
多剤耐性
,
院内感染
Keyword:
バイオフィルム
,
クオラムセンシング
,
多剤耐性
,
院内感染
pp.27-35
発行日 2015年10月25日
Published Date 2015/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201511027
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細菌の集合体「バイオフィルム」は院内感染を引き起こす原因のひとつである。バイオフィルムを形成することで,細菌は抗菌薬や消毒剤への耐性・抵抗性を得るため,その制御は院内感染対策において重要である。代表的な院内感染菌としては多剤耐性緑膿菌やアシネトバクター属菌などがあげられる。厚生労働省の院内感染対策サーベイランス(JANIS)では,これらの細菌の分離状況が毎年度調査されている。他方,わが国においては切迫した状況ではないが,ディフィシル菌も院内感染菌として高いリスクをもつ。本稿では,緑膿菌・アシネトバクター属菌・ディフィシル菌を対象に,それらのバイオフィルムに関する最新の知見を紹介する。