Japanese
English
特集 生体防御能の異常・免疫障害で見られる感染症の特徴とメカニズム
6.抗IL-6レセプター抗体投与で引き起こされる感染症
Infections caused by the anti-interleukin-6 receptor monoclonal antibody treatment.
花岡成典
1
,
徳田均
2
Hanaoka Masanori
1
,
Tokuda Hitoshi
2
1東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター膠原病リウマチ内科 助教
2社会保険中央総合病院呼吸器内科 部長
キーワード:
Tocilizumab
,
IL-6
,
CRP
,
腸管穿孔
,
細菌感染
Keyword:
Tocilizumab
,
IL-6
,
CRP
,
腸管穿孔
,
細菌感染
pp.59-64
発行日 2013年11月25日
Published Date 2013/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201312059
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IL-6(インターロイキン6)受容体に対するモノクローナル抗体製剤であるトシリズマブ(tocilizumab)は,DMARD(抗リウマチ薬)治療抵抗性のRA(関節リウマチ)に対して臨床症状および関節破壊の抑制についての有効性が認められており,TNF-α(腫瘍壊死因子α)阻害剤など他の生物学的製剤と同様にRA診療において重要な役割を果たしている。一方でその薬理学的性質から,感染症の際に指標となりうる発熱や呼吸困難などの臨床症状に乏しく,CRP(C反応性タンパク)などの急性炎症性タンパクの上昇がみられない。急激にショックを呈するなど重症化する症例の報告もあり,治療経過のフォローアップの際にはこれらの点に留意する必要がある。