Japanese
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特集 生体防御能の異常・免疫障害で見られる感染症の特徴とメカニズム
7.Toll-like受容体障害と感染症
Defects in Toll-like receptors and infectious diseases
高橋紀子
1
,
三宅健介
2
Takahashi Noriko
1
,
Miyake Kensuke
2
1東京大学医科学研究所感染・免疫大部門感染遺伝学教室
2東京大学医科学研究所感染・免疫大部門感染遺伝学教室 教授
キーワード:
PID
,
TLRシグナル障害
,
一塩基多型
,
自然選択
Keyword:
PID
,
TLRシグナル障害
,
一塩基多型
,
自然選択
pp.66-73
発行日 2013年11月25日
Published Date 2013/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201312066
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Toll-like受容体(TLR)は自然免疫応答を誘導する病原体センサーであり,宿主防御において重要な役割を担っている。TLRシグナル伝達系における遺伝子変異は病原体への易感染性に関与するが,その詳細については不明な点も多い。原発性免疫不全症候群(PID)は遺伝子異常による免疫不全であり,TLRシグナル障害との関連性が数多く報告されてきている。遺伝子変異を調節する要素のひとつとして自然選択があげられるが,遺伝子型および生育環境が均一化された実験動物においては自然選択の影響を検討することは難しい。したがって,自然選択を反映した遺伝子異常を見出し,自然環境下で誘導される感染症を理解するためにはPID患者の遺伝子型の解析が重要である。