Japanese
English
特集 HIV感染症の長期的治療戦略
5.長期治療にともなう副作用と患者層の高年齢化
Long-term toxicity of antiretroviral treatment and aging of HIV-infected patients
潟永博之
1
Gatanaga Hiroyuki
1
1国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター 治療開発室長
キーワード:
長期予後
,
長期毒性
,
慢性炎症
Keyword:
長期予後
,
長期毒性
,
慢性炎症
pp.63-69
発行日 2013年8月25日
Published Date 2013/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201309063
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かつては重篤な日和見感染症の発症によりAIDS発病にいたっていたHIV感染者も,高い免疫能を保ちながら社会生活を継続していけるようになって久しい。強力な抗HIV療法のお陰で日和見感染症とは無縁の生活を手に入れた感染者たちであるが,治療の長期化にともなって新たな問題も浮上してきている。治療の中断はHIVの再活性化と免疫不全を招くため,抗HIV薬の長期毒性は患者のQOL(quality of life)を考える上で重要な問題である。また,予後の改善にともない,感染者の高年齢化も問題になってきている。これからの治療は,HIVを効果的に抑制するだけでなく,毒性が低く,患者の長期QOLを損なわないものでなくてはならない。