今月の臨床 エイジングと生殖医療
高年齢女性における排卵誘発剤の使い方
柴原 浩章
1
,
岡島 毅
1
,
高橋 佳容子
1
,
平野 由紀
1
,
高見澤 聡
1
,
鈴木 光明
1
1自治医科大学医学部産科婦人科
pp.1367-1373
発行日 2006年11月10日
Published Date 2006/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101308
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
生殖補助医療(assisted reproductive technology : ART)の目覚しい発展により,例えば再建不能な両側卵管閉塞症例,軽症~中等症の男性不妊・免疫性不妊・原因不明不妊に対するAIHの反復不成功症例,あるいは受精障害を伴う重症男性不妊症例などの多くが,体外受精・胚移植(in vitro fertilization-embryo transfer : IVF-ET)または卵細胞質内精子注入法(intracytoplasmic sperm injection : ICSI)-ETの登場により解決をみるに至った.
このような現状において,エイジング,あるいはそのほかの理由(骨盤内への放射線治療,化学療法,卵巣摘出などの手術,早発閉経)による卵巣予備能(ovarian reserve)の極端な低下に伴う難治性の排卵障害を呈する女性への不妊治療が,現時点における限界の最たるものであろう.この場合,おそらく夫婦間でのARTも含めた治療不能をもってその適応とするのであろうが,卵子提供プログラムによる不妊治療を容認する国も存在する.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.