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特集 HIV感染症の流行はまだ続いている
7.総合診療・医療連携が求められるHIV診療
General medicine and medical liaison required for HIV clinics
潟永博之
1
Gatanaga Hiroyuki
1
1国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター 科長
キーワード:
長期予後
,
長期毒性
,
慢性炎症
Keyword:
長期予後
,
長期毒性
,
慢性炎症
pp.73-81
発行日 2016年4月25日
Published Date 2016/4/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201605073
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かつては重篤な日和見感染症の発症によりエイズ発病に至っていたHIV感染者も,高い免疫能を保ちながら社会生活を継続していけるようになって久しい。強力な抗HIV療法のお陰で,日和見感染症とは無縁の生活を手に入れた感染者たちであるが,治療の長期化にともなって新たな問題も浮上してきている。免疫不全とは一見無関係な生活習慣病などの合併症が,通常の人たちよりも多いことが明らかとなり,その予防とコントロールこそがHIV感染者の長期QOL(quality of life)を決める重要な因子であることが明らかになりつつある。ひとりの医師がすべてをカバーすることは困難であるため,他科との医療連携や総合診療科的なアプローチが必要とされてきている。