特集 抗菌薬選択の実際―AMR(薬剤耐性)対策は日々の診療から
起因菌と有効な抗菌薬をあわせて理解する
《グラム陽性菌》
β溶血性レンサ球菌属,Streptococcus pneumoniae
-重症感染症をきたすレンサ球菌
笠原 敬
1
,
吉原 真吾
1
,
小川 吉彦
1
,
小川 拓
1
,
米川 真輔
1
Kei KASAHARA
1
,
Shingo YOSHIHARA
1
,
Yoshihiko OGAWA
1
,
Taku OGAWA
1
,
Shinsuke YONEKAWA
1
1奈良県立医科大学感染症センター
キーワード:
肺炎球菌
,
β溶血性レンサ球菌
,
Lancefield分類
,
侵襲性肺炎球菌感染症
,
劇症型溶血性レンサ球菌感染症
Keyword:
肺炎球菌
,
β溶血性レンサ球菌
,
Lancefield分類
,
侵襲性肺炎球菌感染症
,
劇症型溶血性レンサ球菌感染症
pp.93-97
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_93
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Summary
▪臨床的に重要なレンサ球菌属には,α溶血を呈する肺炎球菌と,β溶血を呈するStreptococcus pyogenes(A群溶連菌),Streptococcus dysagalactiae subsp. equisimilis,そしてStreptococcus agalactiae(B群溶連菌)がある.
▪肺炎球菌は肺炎および髄膜炎,そしてβ溶血を呈するレンサ球菌属は咽頭炎や皮膚軟部組織感染症に加え,劇症型溶血性レンサ球菌感染症の原因として重要である.
▪レンサ球菌属は基本的にペニシリン系薬の感受性が高く,一方でキノロン系薬やマクロライド系薬の耐性が増加しているので,治療には原則としてペニシリン系薬を使用する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018