第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
脂質異常症治療薬
蔵野信
1
,
塚本和久
2
1東京大学医学部附属病院検査部・講師
2帝京大学医学部内科学講座・主任教授
pp.397-402
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913397
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2018年に新たに市場に出た脂質異常症治療薬として,新しいタイプのフィブラート系薬であるペマフィブラートと,アトルバスタチンとエゼチミブの合剤であるアトーゼット(R)があげられる。ペマフィブラートは,その選択的PPARα(ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体-α)モジュレーターという特性のため,安全性(肝機能障害,腎機能障害)が従来のフィブラートと比較して優れているという特徴を有するとともに,インスリン抵抗性改善作用も期待されている。アトーゼット(R)は,現時点における高LDL(低比重リポ蛋白)コレステロール血症に対する第一選択薬と第二選択薬の配合剤であり,アドヒアランスの向上,医療経済という点で患者に利益をもたらすことが期待されている。