第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け~新薬の広場~
■脂質異常症治療薬
荒井秀典
1
1京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻・教授
pp.430-434
発行日 2013年1月31日
Published Date 2013/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201313430
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
脂質異常症は,高血圧,糖尿病,喫煙,年齢,家族歴などと並んで,動脈硬化性疾患の重要な危険因子の一つである。動脈硬化性疾患の予防のためにはこれらの危険因子の評価が重要である。上記の危険因子の他に最近,慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)が重要な危険因子として注目されている。脂質異常症治療薬の代表はスタチンであり,これまで多くの大規模臨床試験によりスタチンの心血管イベント抑制効果が実証されてきた。脂質異常症治療薬に関しては2007年エゼチミブが上市されて以来,新薬の発売はされていないが,本稿では現在上市されている脂質低下薬に加え,現在開発中の新薬について概説する。