第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
抗不整脈薬
矢崎恭一郎
1
,
庄田守男
2
1東京女子医科大学循環器内科
2東京女子医科大学先進電気的心臓制御研究部門・特任教授
pp.403-408
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913403
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非薬物治療の進歩が著しい不整脈の領域において,薬物治療の発展は2000年以降,本邦では進展に乏しいのが現状である。Ivabradine(If遮断薬)は,循環動態に影響を与えずに心拍数を抑制できる薬剤であると言われており,その特性から欧米では心機能低下例への慢性心不全例に適応となっている。本邦ではまだ臨床試験の段階であるが,心不全治療の新たなオプションとして期待されている一方で,その詳細な電気生理学的作用は,あまり周知されていないのが実情である。本稿では主に欧米でのエビデンスを中心に,ivabradineの電気生理学的作用も含め概説する。