第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
抗凝固薬・抗血小板薬
松本直樹
1
1聖マリアンナ医科大学薬理学・教授
pp.391-396
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913391
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ワルファリンの抗凝固効果の高さは相変わらず無視しがたいものがあることが,最近の知見で再確認された現在,直接型経口抗凝固薬(DOAC)の出血の少なさだけでは満たされないアンメットニーズが存在することが明らかとなった。今後の展開はワルファリンの歴史と同様にDOACの使用方法の改善のための研究を継続する一方,新たな抗凝固薬の開発に向かうものと思われる。そのターゲットは第・因子,第・因子,第・因子など,本質的に過剰な出血を伴わないと予想される,やや複雑な凝固経路への介入となることが予想される状況にある。本稿では現状の解説に加え,それらのターゲットを紹介する。