第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
脂質異常症治療薬
森田真也
1
1滋賀医科大学医学部附属病院薬剤部・准教授/ 副薬剤部長
pp.607-614
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813607
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近年,スタチン系薬物等の強力な低密度リポタンパクコレステロール(LDL-C)低下作用により,冠動脈疾患の発症抑制が可能となっている。一方で,高密度リポタンパクコレステロール(HDL-C)低値やトリグリセライド(TG)高値などの残余リスクが存在していることがある。2017 年に,選択的ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α(PPARα)モジュレーターのペマフィブラートが新たに承認された。臨床試験により,ペマフィブラートはTG を顕著に低下させ,HDL-C を有意に増加させることが示されている。また,大規模臨床試験において,コレステリルエステル転送タンパク(CETP)阻害薬のanacetrapibが,HDL-C を大幅に増加させ,冠動脈疾患リスクをわずかながら有意に低下させたことが報告された。