第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
血液腫瘍治療薬
榊智佳
1
,
今泉芳孝
2
,
宮﨑泰司
3
1長崎大学病院血液内科
2長崎大学病院血液内科・講師
3長崎大学病院血液内科・教授
pp.344-349
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913344
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血液腫瘍に対しては近年継続的に新規治療薬が開発され,年々使用可能な薬剤が増えている。CD20に対する抗体医薬リツキシマブの導入後,B細胞リンパ腫の治療成績は改善してきた。一方で,リツキシマブを含む化学療法抵抗例の治療が課題となっている。新規の抗CD20抗体医薬であるオビヌツズマブが開発され,2018年,CD20陽性濾胞性リンパ腫に対して承認された。末梢性T細胞リンパ腫は,予後不良な疾患である。有効な治療薬の開発は遅れていたが,近年相次いで新規の治療薬が導入されている。2018年,再発・難治症例に対してロミデプシンが上市された。これらの薬剤により,難治性リンパ系腫瘍の治療成績のさらなる向上・改善が期待される。