第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
血液腫瘍治療薬
藤本勝也
1
,
豊嶋崇徳
2
1北海道大学大学院医学研究科血液内科
2北海道大学大学院医学研究科血液内科 教授
pp.398-407
発行日 2015年1月31日
Published Date 2015/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201513398
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造血器悪性腫瘍治療薬として2014年に国内で承認されたブレンツキシマブ ベドチンは,抗CD30抗体と化学療法剤を結合させた抗体薬物複合体製剤であり,再発または難治性のホジキンリンパ腫と全身性未分化大細胞リンパ腫の治療薬として承認されたが,今後は他のCD30陽性リンパ腫への適応拡大が期待される薬剤である。初のBruton's tyrosine kinase阻害薬であるibrutinibは,多くのB細胞腫瘍でその有効性が確認され,現在本邦でも第III相臨床試験が進行中である。多発性骨髄腫の治療薬として開発された抗CS1抗体のelotuzumabも,ボルテゾミブやレナリドミドとデキサメタゾンとの併用での有効性が確認され,現在本邦でも第III相臨床試験が進行中であり,いずれの薬剤も新たな抗腫瘍機序により,造血器悪性腫瘍の治療成績の向上に貢献することが期待される。