第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
血液腫瘍治療薬
柴崎康彦
1
,
増子正義
2
1新潟大学医歯学総合病院高密度無菌治療部
2准教授
pp.381-389
発行日 2014年1月31日
Published Date 2014/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201413381
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造血器腫瘍では,慢性骨髄性白血病(CML)に対する分子標的薬や,B細胞性リンパ腫に対する抗体療法薬の出現などにより,近年予後の改善を認める疾患が増えつつある。一方で,これらの新規薬剤に対する耐性の問題や副作用の面から,新たな分子標的薬や,既存薬剤に対する第二世代,第三世代の新規薬剤の開発が望まれている。
本稿では,昨年から今年にかけて新たに発売された第二世代のプリン拮抗薬であるクロファラビン,また海外では既に発売されており,本邦でも承認に向けて順調に進んでいるJAK(Janus kinase)阻害剤 ruxolitinibおよび,第三世代のチロシンキナーゼ阻害剤ponatinibについて概説する。