第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
婦人科癌治療薬
大神達寛
1
,
加藤聖子
2
1九州大学病院産科婦人科
2九州大学病院産科婦人科・教授
pp.336-343
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913336
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2018年1月にPARP(poly〔ADP-ribose〕polymerase)阻害薬であるオラパリブ(リムパーザ(R))が「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法」に対して承認された。この薬剤はDNA修復機構である相同組換え(homologous recombination:HR)に関わる遺伝子(BRCA1やBRCA2など)に変異がある場合に有効とされるが,プラチナ製剤感受性であることがサロゲートマーカーとして使用される。重篤な有害事象の少ない内服薬であることに加えて,年単位の長期間の病勢コントロールが可能なこともあり,その維持療法としての有効性に大きな期待が寄せられている。また単剤維持療法のみならず,救援療法や他の分子標的治療薬・細胞障害性薬剤との併用でもその有効性が報告されており,今後の適応拡大が望まれる。