第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
血液腫瘍治療薬
田中智之
1
,
増子正義
2
1新潟大学大学院医歯学総合研究科血液・内分泌・代謝内科学分野
2新潟大学大学院医歯学総合研究科血液・内分泌・代謝内科学分野 准教授
pp.552-562
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813552
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
造血器腫瘍の治療は年々進歩し,特に分子標的治療や細胞免疫療法の開発が進んでいる。急性骨髄性白血病(AML)の治療としては長らく新薬が登場していなかったが,FLT3(Fms-Like Tyrosine Kinase 3)阻害薬Midostaurin が初めて米国食品医薬品局(FDA)に承認された。またB 細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)に対する免疫療法としてのキメラ抗原受容体を用いた遺伝子改変T 細胞(CAR-T)薬のTisagenlecleucel や,CD22 複合製剤のInotuzumab ozogamicin も米国FDA で承認された。本邦でも今後,導入されることが予想される。なお,本邦においては末梢血幹細胞動員薬のプレリキサホルが発売された。これらの薬剤により,難治性造血器腫瘍の治療成績の更なる向上が期待される。