特集 超高齢化時代の血液疾患診療
2.高齢者における骨髄異形成症候群の特性と治療
田口正剛
1
,
宮﨑泰司
2
Masataka Taguchi
1
,
Yasushi Miyazaki
2
1長崎大学原爆後障害医療研究所 原爆・ヒバクシャ医療部門 血液内科学研究分野(原研内科) 医員
2長崎大学原爆後障害医療研究所 原爆・ヒバクシャ医療部門 血液内科学研究分野(原研内科) 教授
pp.1683-1692
発行日 2013年11月30日
Published Date 2013/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201312031
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骨髄異形成症候群(MDS)は近年,高齢者での発症増加が指摘されており,超高齢社会に突入した本邦においては,今後さらに高齢者MDSへの対応が求められる。高齢者は加齢に伴う合併症や身体的機能障害などを有する場合が多く,高齢者MDSの治療や予後に大きな影響を与える。高齢者MDSにおける治療の目的は,“治癒”よりも個々の患者の“生活の質(QOL)”を重視し,QOLを向上・維持して生存期間の延長を得ることにある。適切な合併症評価と予後予測を行い,個々の患者に応じた治療方針を決定し実践することが重要である。