特集 バイオシミラーの現状と今後の展望
4.バイオシミラーの承認事例と今後の課題
井手野泰久
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1独立行政法人 医薬品医療機器総合機構再生医療製品等審査部・審査専門員
pp.783-788
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201903783
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本邦でこれまでに承認されたバイオ後続品(バイオシミラー)は16製品(有効成分ベース)であり,今後も,先行バイオ医薬品の特許期間・再審査期間の満了に伴い,開発が進むものと考えられる。バイオ医薬品は化学合成医薬品と比較して複雑な分子構造をとるため,バイオ後続品の開発では後発医薬品と異なるアプローチが必要となる。本稿では,ハーセプチンを先行バイオ医薬品とするバイオ後続品として最近承認された3品目を例にあげ,承認申請時に提出されたデータやそれを踏まえて,審査ではどう判断されたのかを概説する。また,平成30年(2018年)6月にICHガイドラインE17が通知され,地域または属性別集団を併合する戦略が示された。バイオ後続品の開発において国際共同治験が実施された場合に,この考え方をどの程度取り入れることができるかは,今後,議論されるべき課題であろう。