特集 バイオシミラーの現状と今後の展望
5.臨床医から見たバイオシミラー~関節リウマチ治療における現状と課題~
川合眞一
1
1東邦大学医学部炎症・疼痛制御学講座・教授
pp.789-794
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201903789
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近年,バイオ医薬品はさまざまな領域で使われている。関節リウマチ治療の目標は,単に症状を改善することから,関節破壊やそれに続く身体障害の進行を抑制することに変わったが,その実現にはバイオ医薬品が大きく貢献してきた。しかし,一方でバイオ医薬品の高薬価による患者負担は極めて大きい。最近になって,先行バイオ医薬品の特許切れに伴い,わが国でも複数のバイオシミラーが承認され,患者負担の軽減が期待されている。ただ,現状では国産のバイオシミラーはなく,将来,多くの製剤が競合する場合などには安定供給や品質管理などの点での懸念も残る。国策として国産バイオシミラー開発を推進することが望まれる。