特集 バイオシミラーの現状と今後の展望
10.バイオシミラー開発における現状と課題
亀山良雄
1
1日本化薬株式会社医薬事業本部医薬開発本部開発戦略部・部長
pp.815-822
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201903815
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バイオ後続品(バイオシミラー)は,先行バイオ医薬品との品質,安全性,有効性の同等性/同質性を示すデータ等に基づき開発される。バイオシミラーの薬価は先行バイオ医薬品の70%を基本として設定されるため,患者の経済的負担や社会保障費増大の問題を解決するものとして期待されている。日本では2009年に最初のバイオシミラーが承認され,現在までに企業の開発経験,規制当局の審査経験ならびに医療現場の使用経験が蓄積されてきた。しかしながら,欧米と比較してバイオシミラーに関わるステークホルダー間の対話が不十分なため,バイオシミラーに対する正しい理解や,バイオシミラーの開発の効率化に関する議論が十分に進んできたとは言えない。今後は幅広いステークホルダー間の対話を通じてさまざまな課題が解決され,国民がさらにバイオシミラーのベネフィットを享受することを期待したい。