特集 特集2 バイオシミラー・フィルグラスチム
2.日本におけるバイオシミラー・フィルグラスチムの現状と課題
早川堯夫
1
1近畿大学薬学総合研究所・所長
pp.1390-1395
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201405106
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最近相次いで2種類のバイオシミラー・フィルグラスチムが承認された。先発品であるグラン®の品質特性との高い類似性が認められたこと,非臨床試験において同様の細胞増殖促進作用および好中球数増加作用が認められ,また毒性プロファイルも類似していると判断されたこと,臨床薬理試験において皮下投与時および静脈内投与時におけるPK(pharmacokinetics)の同等性が示されたこと,両製剤の「好中球数増加作用」および「造血幹細胞の末梢血中への動員作用」の同等性が示され臨床的有効性が同等と考えられること,さらに安全性プロファイルにおいてグラン®と比較して特に問題は認められていないことから,総合的に判断してグラン®との同等性・同質性が示されたとして,製造販売が承認された。その品質,安全性,有効性評価の面から現状と課題について論述した。