特集 バイオシミラーの現状と今後の展望
3.バイオシミラーの規制と品質評価に関する国際的動向
石井明子
1
1国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部・部長
pp.777-782
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201903777
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バイオシミラーの開発では,先行品と同じ製品品質プロファイルを目標に,重要品質特性の特定が行われ,臨床試験結果も踏まえて品質管理戦略が構築される。その過程では,step-by-stepアプローチと言われるように,広範な品質特性解析と先行品との品質比較試験の結果が基盤となり,先行品との品質特性の高い類似性を確認した上で,必要と考えられる臨床試験が行われる。最終的には,品質特性の差異が臨床的に意味のあるものではなく,先行品と有効性・安全性に差がないことを臨床試験の結果に基づいて示す必要があるが,品質の類似性に関する評価は,バイオシミラー開発における重要事項である。本稿では,バイオシミラーの品質評価・管理の考え方と日米欧の規制文書について概説した上で,最近のトピックとして,品質特性の比較に用いる統計手法に関する欧米の動向を紹介する。