特集 高齢者と薬
気管支喘息・COPDの治療薬
浅本 仁
1
1浅本内科医院
キーワード:
気管支喘息
,
コントローラー
,
レリーバー
,
COPD
,
安定期
,
急性増悪
Keyword:
気管支喘息
,
コントローラー
,
レリーバー
,
COPD
,
安定期
,
急性増悪
pp.957-962
発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100736
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Case
ベクロメタゾンの吸入により長期間の入院生活から脱したアスピリン喘息症例
患 者:75歳,女性.
既往歴:小児期に副鼻腔炎に罹患.
現病歴と治療経過:1985年頃から,非ステロイド系解熱鎮痛薬の服用をきっかけに持続性喘息となった.1991年まで毎年,年間270日以上入院し,退院時もほぼ毎日救急外来を受診していた.1991年12月に1日800μgのベクロメタゾンの吸入を開始してから入院日数が徐々に減少し,1994年には年間140日となった.さらに,吸入量を1日1,600μgとしてから入院回数も救急外来への受診も激減し,1997年以後今日まで入院していない.
わが国では気管支喘息の発症率が年々増加し,喘息死もいまだに年間4,000人を下らず,その比率は60歳以上の高齢者に多い.一方,40歳以上の,少なくとも8.5%(約530万人)がCOPD(慢性閉塞性肺疾患)に罹患しており1),死亡率は気管支喘息よりもはるかに高い.
近年,COPDや気管支喘息についての優れた国際的なガイドラインが出版されている.COPDに対するGOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease,J1)2),気管支喘息に対するGINA(Global Initiative for Asthma)の改訂版3)などである.
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