第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
気管支喘息治療薬・COPD治療薬
大崎能伸
1
,
佐々木高明
2
,
奥村俊介
3
,
南幸範
3
1旭川医科大学病院呼吸器センター・教授
2旭川医科大学病院呼吸器センター・学内講師
3旭川医科大学病院呼吸器センター
pp.419-426
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913419
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気管支喘息の治療は,長期管理用の吸入ステロイド薬が導入された後に大幅に状況が改善され,これが喘息死患者の減少と密接な関係があるとされている。しかし,既存の吸入薬でも症状がコントロールできない重症喘息患者が存在し,その数は少数ではあるものの喘息総医療費の半分以上を占めるとされ,医療経済的にもその対応は重要である。近年は喘息発症の病態に基づいた抗体製剤の開発が盛んであり,臨床での使用頻度が高まってきた。 慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)領域の治療薬では,新たな吸入薬が市販される予定である。