第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
消化器疾患治療薬
柴田知行
1
1藤田保健衛生大学消化管内科学・教授
pp.640-646
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813640
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2017 年10 月に「慢性便秘症診療ガイドライン2017」が発刊された。これは,従来の刺激性下剤やマグネシウム製剤偏重の日本の便秘診療に,新たな診療の道筋を示すものと考えられる。それに併せて新たな機序や,適応を持った便秘に対する薬剤も上市され,便秘診療に変革の到来が予測される年となった。炎症性腸疾患に対する薬剤も,TNF(腫瘍壊死因子)-α阻害剤以外に多種類の薬剤の製造承認や適応追加が相次いだ。PPI(プロトンポンプ阻害薬)を中心とした酸分泌抑制剤も,逆流性食道炎に対するキードラッグとなり,その安全性や使用法が今後も検討されるであろう。肝疾患治療薬も,これまで適応が無かった対象への薬剤開発,適応承認が行われ,より確実な抗ウイルス治療が選択可能になってきた。