特集 インフルエンザの動向とその対策2018 ~ 2019
2.近年のインフルエンザの動向と抗インフルエンザ薬の耐性状況
渡邉真治
1
1国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター・第一室長
pp.2197-2202
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018102197
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毎冬流行を繰り返すインフルエンザの推定患者数は例年大きく変動することはないが,分離される季節性インフルエンザウイルスの型(あるいは亜型・系統)の割合は年によってさまざまである。現在使用されている抗インフルエンザ薬は,季節性ウイルスの種類によらず有効であり,従って治療によく使用される。使用頻度が高くなると耐性ウイルスの出現を伴うため,その監視(サーベイランス)が重要となる。日本では,厚生労働省と自治体の協力によるインフルエンザの抗ウイルス薬耐性株サーベイランスが実施されている。また世界においても世界保健機関(WHO)を中心としたサーベイランスが実施されており,耐性株の出現状況を把握している。