特集 ブレイクポイントの臨床応用-3つの基準の上手な使いこなし方
新規抗インフルエンザ薬『バロキサビル』の展望 最新のインフルエンザ動向を踏まえて
渡辺 彰
1
1東北文化学園大学 医療福祉学部抗感染症薬開発研究部門
キーワード:
インフルエンザ-ヒト
,
第II相試験
,
第III相試験
,
治療成績
,
Baloxavir Marboxil
Keyword:
Influenza, Human
,
Clinical Trials, Phase III as Topic
,
Clinical Trials, Phase II as Topic
,
Treatment Outcome
pp.304-310
発行日 2018年12月10日
Published Date 2018/12/10
DOI https://doi.org/10.34426/J03177.2019096197
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バロキサビル(ゾフルーザ)は、従来の薬剤とは作用機序が異なる国産の新規抗インフルエンザ薬である。内服後の血中半減期は100時間近く、強い抗ウイルス活性と相俟って単回投与で治療が完了する。本剤の単回投与はオセルタミビルの5日間、計10回投与と同等の臨床効果を示し、2~5日目のウイルスの減少は有意に早く、副作用の頻度はオセルタミビルより有意に低い。本剤は、投与後早期のウイルス減少によって、インフルエンザの伝播拡散を従来の薬剤よりさらに抑え得る公衆衛生上も有用な薬剤と考えられる。
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