特集 抗インフルエンザ薬物療法 update~最新の診断・治療戦略~
3.抗インフルエンザ薬による治療の現状~耐性ウイルスの状況も併せて~
河合直樹
1
1河合内科医院・院長/日本臨床内科医会インフルエンザ研究班・班長
pp.2259-2266
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201710075
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わが国では抗インフルエンザ薬としてノイラミニダーゼ阻害薬(NAI)が日常診療に用いられてきたが,これとは作用機序の異なるCapエンドヌクレアーゼ阻害薬も近い将来の上市が見込まれている。NAIはオセルタミビル,ザナミビル,ペラミビル,ラニナミビルの4剤が治療薬として,またペラミビル以外の3剤は予防薬としても承認されている。この4剤は投与の経路や回数などが異なり,かつ有効性や安全性に大差ないことから,患者の年齢,状況等を勘案して選択される。なお2008/09年にAH1N1ソ連型でオセルタミビルの耐性化が問題となったが,2009年のパンデミック登場以降,耐性ウイルスはまれである。