特集 抗インフルエンザ薬物療法 update~最新の診断・治療戦略~
1.近年のインフルエンザの流行状況と流行型・亜型の特色
柏木征三郎
1
1国立病院九州医療センター名誉院長
pp.2245-2250
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201710061
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インフルエンザの流行は古くから知られている。A型については,20世紀には,H1N1,H2N2およびH3N2の3種の大流行が認められているが,近年の流行は,A型ではH3N2およびH1N1(ソ連型)が季節性インフルエンザとして流行していた。しかし,2009年にH1N1pdm が出現し,H1N1(ソ連型)は姿を消し,H1N1pdm が断続的ではあるが季節性として流行している。H3N2は2009年の1年間は姿を消したが,1968年来流行している。また,一部の地方ではあるが,H5N1およびH7N9のヒトへの感染が続いている。
一方,B型は2001年から2008年シーズンまでは,Victoria株と山形株のいずれかが流行していたが,現在は両株の流行が認められている。